茨城県立大洗女子学園(以下、大洗女子)は、11月14日に行われた、少女☆歌劇レヴュースタアライト(以下、レヴュスタ)戦でのオープン戦に敗れ、4連敗を喫した。
この試合後、軍神・西住監督は敗戦投手となった園みどり子投手について、「1度2度ならまだしも、4度も失点を繰り返してるようじゃ、こちらももう擁護できません」とコメントを残している。
しかし、4連敗を喫した理由は園の投球だけであろうか。そこで、4連敗中のデータを何点か検討してみることにした。
4連敗中の投手陣の成績を挙げてみる。
澤梓 対百合ヶ丘(1戦目) 5回1失点 ●
角谷杏 対百合ヶ丘(2戦目) 5回3失点 ●
武部沙織 対新越谷 6回1失点 勝敗つかず
磯辺典子 対レヴュスタ 6回1失点 勝敗つかず
宇津木優季 対百合ヶ丘(2戦目) 1回1失点 勝敗つかず
対レヴュスタ 2回3失点 勝敗つかず
園みどり子 対百合ヶ丘(1戦目) 2回1失点 勝敗つかず
対百合ヶ丘(2戦目) 2回1失点 勝敗つかず
対新越谷 1回2失点 ●
対レヴュスタ 1回4失点 ●
ナカジマ 対百合ヶ丘(1戦目) 2回無失点 勝敗つかず
対新越谷 1回無失点 勝敗つかず
4試合の失点は19点である。先発した4人は5回以上投げており、大量失点を喫していないが、2番手以降の投手の失点が目立つ。西住監督が言及した園に加え、宇津木も登板ごとに失点している。二人の登板前の状況が僅差の試合が多いだけに大きな痛手であることは間違いない。
しかしだ。援護点がどうであったかを見てみれば、4連敗の要因が投手陣だけではないことがわかる。得点力不足である。
4連敗中の得点は0点、2点、1点、2点。合計しても5得点しかできていないのである。チーム打率はどうか。実は4試合で実に39安打を放っており、.283を記録している。4連敗以前のチーム打率が.350であったことから、確かに打率は落ちているのだが、この打率で5得点しか挙げられないのは異常である。
39安打のうち、得点に絡んだ長打は対百合ヶ丘(2戦目)での小山柚子内野手の2点本塁打のみである。他の3点は適時安打2点と犠牲飛球1点である。
4連敗以前の得点パターンは先述の小山のほか、佐々木あけび外野手、杉山清美外野手、山郷あゆみ内野手らの適時打や本塁打であった。
勢いに乗った時の大洗女子打線は得点機を確実にものにできていたが、特に先日のレヴュスタ戦は16安打を放ちながらわずか2点に抑えられており、中盤までリードしていたものの、逆転を許してしまった。
となれば、打線の得点圏での奮起が求められるだろうが、特に4番の五十鈴華内野手に注目したい。4番に座る彼女だが、打率は.294であるものの、わずかに1打点である。得点圏打率は.333であるものの、走者2塁のケースが多く、安打を放っても単打であるため、なかなか2塁走者を本塁に迎え入れることができていない。彼女の持ち味は長打力である。チームの窮地を救えるのは彼女ではないだろうか。
オープン戦は残り2試合。現在3勝5敗である。連勝すれば5割で終わることができ、本選に弾みをつけることができるが、連敗すれば最下位に甘んじ、不安を残して本選を迎えることとなる。2試合の戦いぶりに注目したい。
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