「百合ヶ丘4-0バンドリ」(6日、横浜)
「チームのため、梨璃さんのため」右腕は死力を尽くして投げ抜いた。百合ヶ丘は6日、本拠地・横浜でのブルームリーグ開幕戦(対バンドリ)を4-0の白星で飾った。序盤の2本のアーチなどで得た4点を、本調子ではないながらも楓・J・ヌーベル投手が最後まで守り続けた。
ヌーベルは初回、一死から牛込りみ内野手に四球を与えるとそこから連打で満塁のピンチを作ったが、天野天葉右翼手の好返球もあり無失点で脱出した。
打線はその裏、一死から二川二水内野手の二塁打で好機を作ると、妹島広夢内野手がすかさず適時打を放ち1点を先制した。続く安藤鶴紗外野手は倒れるも、二死からロザリンデ内野手が逆方向への2ランを放ち3-0とリードを広げた。さらに2回には先頭の内田眞悠理外野手が左翼席に刺さるソロを放ち4-0とした。
援護をもらったヌーベルは2回以降は本来の調子を取り戻し、巧みに変化球を操ってバンドリ打線を完全に封じ込めた。
ヌーベルのために追加点が欲しい打線だったが、3回以降はバンドリ投手陣相手に得点圏にこそ達すれども本塁は一度も陥れることができなかった。
打線が追加点を取れなくてもヌーベルは崩れなかった。8回に1四球を与えるも初回の2安打のみで8回まで投げ抜いた。そして完封をかけた9回のマウンドにも上がったが、先頭の牛込に四球を与えるとそこから一死1、2塁のピンチを作った。ヌーベルのスタミナは当に限界を迎えていたが、それでも力を振り絞って後続を断った。9回126球3安打7奪三振3四球無失点。野球少女リーグ史上初の2登板連続(振り分け戦から)、通算3度目の完封だった。
試合後お立ち台に上った右腕は「(9回は)流石に苦労しましたけど、梨璃さんのために、そしてチームのために絶対完封すると心に誓って振り絞りましたわ」とコメントした。
これで百合ヶ丘は貴重な勝ち点3と得失点差+4を獲得して大阪に乗り込むことになった。Vロードを歩み始めた百合ヶ丘の前途は明るい。
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