◆第4節「清澄高校6-3美城BS」(1日、京セラ大阪)
この日の右腕はいつも以上に唸っていた。清澄高校は1日、首位・美城BSとの2回戦に6-3で勝利し、昇格後2勝目を掴んだ。先発・江口セーラ投手が自己最速タイとなる137km/hの直球を幾度も繰り出して美城打線を封じ込めれば、悩める勝負師・松実玄内野手の3打点などで打線の援護にも恵まれた。
熾烈な入れ替え戦を乗り越えた打線は2回、先頭の上重漫内野手の四球から一死2塁の好機を作ると、松実玄の適時二塁打で1点を先制した。さらに続く鹿倉胡桃内野手、1安打を挟んで清水谷竜華外野手にも適時打が飛び出し、この回一挙3点を奪った。
江口は立ち上がり、美城の上位打線を三者凡退に抑えるも、援護をもらった2回に連打で一死1、2塁のピンチを招いた。それでも江口はいつも以上に唸る直球で後続をねじ伏せ、無失点で切り抜けた。その後江口は4回と6回にも1、2塁のピンチを作ったが、やはり直球主体の彼女らしい投球で切り抜けた。
6回まで8安打を浴びながら無失点投球を続けた江口だったが7回、2安打を浴び一死1、2塁のピンチを作ると、北条加蓮外野手に適時打を浴びて1点を失い、続く高森藍子外野手を三振に斬ったところで降板した。6.2回11安打8奪三振1失点の粘投であった。
突き放したい打線は8回、美城3番手・小早川紗枝投手から3連打で一死満塁の好機を作ると、再び松実玄が適時二塁打を放ち2点を加えた。さらに鹿倉三振の後高鴨穏乃外野手にも適時打が飛び出しさらに1点を加え6-1と大きくリードを広げた。
江口の後を継いだ2番手・二条泉投手はその裏、先頭から3連打を浴び無死満塁のピンチを招いたところで降板。3番手・エイスリン投手が犠飛と適時打を浴びて2点を失ったもののその2点で美城の反撃を止めた。最後は守護神・石戸霞投手が三者凡退に抑えてゲームセットとなった。
赤土晴絵監督は試合を振り返り、「先月の借りを返せました」と話した。先発の江口については、「今までにないほどの気迫を試合前から感じていましたので、セーラのやりたいように投げさせました」とコメント。3打点の松実玄については「クロ本来の勝負強さがようやく戻ってきましたね。来週も期待できる結果だったと思います」と讃えた。
これで清澄は昇格後2勝目を手にし、3位・ハチナイとの勝ち点差を6に縮めた。大型連休最終日となる次週は本拠地でのハチナイ戦。前節は松実宥投手の好投で勝利した相手に今節も勝利し、昇格後初の連勝といきたいところだ。
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