◆第8節「ハチナイ1-3百合ヶ丘」(19日、東京ドーム)
“8回の女”にまたも悪夢だ。ハチナイは19日、本拠地での百合ヶ丘戦に1-3で敗れ、わずかに残されていた優勝の可能性が完全に無くなった。同点の8回、リリーフエースの近藤咲投手がまたも二川二水内野手に手痛い一打を浴びた。
先発を任されたのはエース・永井加奈子投手であったが、2回に安藤鶴紗外野手にソロを浴びるなどこの日は低めに制球しきれない立ち上がりとなった。3回以降は本来の制球を取り戻したが5回、先頭のロザリンデ内野手に安打を許したところで無念の降板となってしまった。
打線は3回、先頭の本庄千景外野手がチーム初安打となる1号ソロを放ち同点に追いつくと、有原翼、新田美奈子両内野手の連打で一死1、2塁の勝ち越し機を作った。しかし、後続が断たれ勝ち越しはならなかった。
5回、永井が無死1塁で降板すると、2番手には秋乃小麦投手が登板した。秋乃は一死2塁とピンチを作るも、勝負強い天野天葉外野手と二川を打ち取り、無失点で切り抜けた。秋乃は6回のマウンドにも上がり、百合ヶ丘の中軸を三者凡退に抑えた。
打線はその裏、新田の安打から一死2塁の勝ち越し機を再び作るも、朝比奈いろは、東雲龍両内野手が共に内野ゴロに倒れた。
7回は3番手・柊琴葉投手が1回をパーフェクトに抑えるも8回、4番手の近藤に悪夢が襲う。近藤は先頭の一柳梨璃捕手に安打を許すと、一死2塁で二川を迎えた。東京ドームでの近藤vs二川といえば第6節第3日、この日と同じ同点の場面での対戦が記憶に新しいだろう。この時は満塁から3点適時打を打たれ、近藤は悪夢の敗戦投手となった。
あの時の悪夢を払しょくしたい近藤だったが、2ボール2ストライクからの6球目のパームが甘く入ってしまい、弾き返された打球は天井付近まで打ち上がってそのまま右翼席上段に着弾。負け越しとなる2号2ランを浴びた。第6節に続き、今節も近藤は二川にやられてしまった。
逆転Vへ向けて追いつきたい打線だったが、百合ヶ丘継投陣の前に出塁すらも出来ずそのまま敗れてV逸が確定した。
掛橋桃子監督は試合後、V逸決定について聞かれ「タイトルがかかっている選手もいますし、まだシーズンも終わっていませんから来季に向けてというところでもモチベーションを保って最終戦まで戦い抜いてほしいと思います」とコメントした。
これでハチナイは今節も負け越しとなり、15敗目を喫したため今季の勝ち越しも無くなった。それでも来季のブルーム開幕が確約される年間2位の可能性は未だ残されている。来季のためにも負けられない戦いはまだまだ続く。
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